「海の見える街」の思い出

魔女の宅急便の「海の見える街」は思い入れのある曲だ。これを聞く度に中学3年生の頃を思い出すよ。

僕は中学3年の頃は少しの間だけ合唱部に入部してたんだけどさ、卒業式の間際に後輩全員がこの「海の見える街」を歌ってくれて、中学を卒業する僕らを送ってくれたんだよなぁ。その時の記憶が強く脳に刻まれて、海の見える街のメロディが流れる度にその頃の記憶が蘇るのよ。

後輩(全員女)が歌う海の見える街に魅了され、恍惚した表情で歌を聞いていたら、同級生の女に「あんた、折角後輩が歌ってくれてるのに寝てたでしょ」とか言われて、それを聞いた他の女どもも「ひどーい」とか追随してきて、慌てて「魅了されて心を奪われていただけだ!」って力説したっけな。

海の見える街で合唱部の頃の話しを思い出したところで、もう一つ過去の話しをしようかな。

合唱部の後輩の女の子にアヤちゃんって言う1つ年下の女の子がいたんだけど、僕はその子の事がずっと好きだったんだよね。好きになった理由は、ちっこくてショートカットで(昔はショートカットが好みだった)地味な顔で落ち着いた雰囲気が好きだったんだっけな。

まぁ部活やっていた頃は殆ど絡みもなくて何もなかったんだけど、高校3年の時に僕がバイトしていた薬屋さんでアヤちゃんとバッタリ再開することになったんだよ。その時は10分くらいちょこっと話しして終わったんだけどさ。

その翌日、合唱部の後輩と付き合ってるという同級生と電車に乗っていたら、「アヤちゃん、マメトラのメルアド聞きたがってたって彼女言ってたよ」って教えてもらって、まじかよ!!ちょうど彼女もいないしこれは行くっきゃねえ!!!

・・・ってことで、連絡を取り合うようになったんだったな。

その後、メールのやり取りとか、図書館デートしたりとかして、連絡をとりあって1ヶ月くらいで僕から交際の申し入れしたんだよ。ヘタレだったので、メールでだけど。まぁ、相手からメルアドを教えてとか言ってくるくらいだったので、返事はOKを貰えたんだよね。3年越しの恋が実ったというわけだ。

まぁ、その後1ヶ月くらい付き合って、付き合った当初の熱烈としたワクワク感が覚めた頃、「なんか冷めたわー」とか当時の僕は思ってしまったんだよな。1日ごとに冷めていく僕。冷めるに連れて別の女の子に気持ちは移ろってしまうことになり、結局、1ヶ月程度で別れたんだよね。

最後は「もう連絡しないでください」って言われて終わりを迎えた。

今思えば、当時「冷めた」と感じていたのは、付き合った当初の猛烈なワクワク感がなくなっただけであって、本来の意味での「冷めた」とか「興味が薄れた」とは違う感覚であったことを、当時の僕はわからなかったな。大人になった今はわかるようになったけど。

この一連の記憶は、海の見える街を聞く度に色褪せずに再生される。僕の青春のメロディの一つってわけだ。

アヤちゃんはもう結婚して子供もいるんだろうな。はぁ・・・。