小学生からの地元の友人と遊んでた。
海辺を散歩しながらお互いの近況を話したり。
その地元の友人とは彼のことである。
相変わらず良い意味で何も変わっていなかった。
姉から貰ったというヴィトンの財布だが、数年前からファスナーが壊れており、ここ数年一度も閉じた事が無いと言っていた。
相変わらず見てくれを気にしていないのが良い。服は僕があげたもの、財布も貰い物、車も姉からの貰い物。趣味の音楽以外には一切のお金をかけていないところは相変わらずだった。
お店に入る直前に子供を抱っこした太ったおじさんに声をかけられる。
「うおおおおお ひさしぶりー!!」
「…?…だれ?」
「オレだよオレ!K!」
「…あっ!!!!」
彼は小・中学が一緒だった K だ。
中学になってからはあまり交流がなかったけど、小学生の頃はよく家に遊びにいってトルネコの大冒険を一緒にやってたっけ…。
見た目が完全におじさんになった彼だけど、結婚して子供が出来た様子だった。
子供の頃に一緒に遊んだ K が自分の子供とじゃれている様子をみると、結婚もしていない僕は、なんだか人生の置いてけぼりを食らったかのような錯覚に陥った。なんか凹んだりしてた。
小学生の頃頻繁に遊んだ K だったけど、いつの間にか疎遠になったんだよなぁ。
きっかけはたしか…中学の頃、Kがじゃれてきて僕を柔道の技で投げ飛ばしてきたことがあったっけ。
いきなりのことだったからか僕がキレてしまって、思いっきり殴ってしまってから、なんか疎遠になってしまったような気がするな…。あんなに仲良かったのにな。
昼食を食べ、好物だというニンニクを買ったあとは僕の実家で駄弁る。
好きな音楽関係で食べていくという夢もだいぶ現実に近づいているようで羨ましかった。
殆ど休み無しにギターやベースの練習をしたり、音楽関係の仕事をし続けていてすごいわ。まぁ本当に好きなことなので会社員時代のようなストレスが無いから全然負担になっていないとのこと。
安定していた会社をやめて、貯金はたいて専門学校に通い、そして今も自分の好きなことで食べていけるように努力し続けてる様は素直に尊敬に値するよ。
少し家でダベったあとは一緒に小学生の頃によく遊んでた山、学校に出向いて昔を思い出したりしてた。
25前年に、よくこの私有地の山に勝手に入って秘密基地ごっこをやってた。
小学3年生の当時、この山が物凄く大きく見えたものだけど、大人になった今あらためてみると「こんなに小さかったっけ」なんて思った。友人も同じ感想を抱いてた。
子供の頃は体も小さかったから相対的に大きくみえていたんだろうか?
通っていた小・中学の通学路も昔を思い出しながら歩いてた。
入って良いのかわからなかったけど開いていたので小・中学の校庭を一周したり遊具をみてはノスタルジーに浸ってた。
小学校の校庭には昔から大きな石がいくつも埋まっていて、昔は隠れんぼやら泥警(けいどろ)といった遊びの際に隠れ場所としてしか使っていなかったものがあるんだけど、大人になった今改めてみてみると、石はすべて火成岩の種類であったことに気付かされたりした。
ああ、こんな意味があったのだなと20年の時を経て気づいたのであった。
学校を象徴するかのような巨木も、やっぱり「こんなに小さかったっけ」と思った。よくよじ登ってたっけな。
殆ど何も変わっていない小・中学が本当に懐かしくて、当時一緒のクラスだった友人と校庭を歩いていると、昔の情景が色々と浮かんできて、とても懐かしい気分になった。
小学校を卒業して23年…、中学を卒業して20年…、ほんと年をとっちまったな。
夜は別の小・中学の同級生を食事したりしてた。
彼は結婚して子供が二人もいることもあってか、急激に老けてきた。老けたというよりは、年齢分の経験をしているような風貌に変わっていた。
僕の弟もそうだが、子供ができて育児をすると内面が変わって外見まで影響を及ぼすのだろうか。単純な加齢だけではない変化があるように思う。
この友人ともひたすら散歩をしながら色々語ってた。
たしか小学生の頃、この道路に大量に獲ったザリガニを放出し、大渋滞を引き起こしてしまったのも彼と一緒だったかもしれない。
今日は5時間くらい話し続けてたな…。
地元に戻りたい欲求が強くなった1日。