始業して早々に上司に「お話があります」と伝え、会議室のようなところで待ち合わせし、開口一番に退職の意向を伝えた。
上司は驚いていたが、想定の範囲内という反応でもあるようだった。ここのところの僕のやる気のなさからすれば想定していてもおかしくはないだろうな、と思った。
正直に辞める理由を教えてほしいと言われたので、洗いざらい僕の不満や思いを全て伝えた。
本当はそれらしい嘘でもつこうかと思ったりはしたのだが、結局それだとお互いの為にもならないし、僕自身スッキリしない感覚に陥るのが嫌だったので、ブログで書いていたような事を何もかも伝えることにした。
上司はうんうんと否定することなく最後まで僕の話を聞いてくれた後、僕の今後の人生が幸せになれるようにと、労いの言葉もくれたりもした。
まぁそれが本心かどうかは僕にはわからないが、大人な対応で賢いな、と思った。
多分、円満に退職出来ると思う。しこりを残さずに去っていけそうで何より。
引き止められることはなかった。
まぁ職場での僕の無能さもあるだろうけど、そもそも大の大人がそれこそ死ぬほど悩んだ末に出した結論なわけで、引き止めたところであまり意味が無いとも考えてはいるんだと思う。いや、わからんけども。
そういえば退職する旨を伝え終えた途端、まさに「憑き物が落ちる」かのような感覚に陥って、体と心がふっ…と風船にでもなったかのように軽くなった。
それはあまり感じたことのない経験だった。
長々と話し合った後、退職日については一旦持ち越しとなった。
でも遅くても来年の頭には退職することになると思う。
僕の人生が大きく分岐した1日だった。
現実的に考えれば、今の会社のような安定していてそれなりの給料を貰えるところにはもう勤める事は出来ないだろう。
まぁ、考えても仕方がない。だってもう歯車が動き出してしまったのだから。
今は後悔は全くない。
憑き物が落ちて悩みのタネがなくなり、気分が高揚しているのもあるんだろうけど。
とりあえず、辞めるまでの間はできるだけ迷惑をかけずにひっそりと過ごしていこうと思う。
もうやる気がゼロなので新しい仕事を覚える事は出来ないけども…。
ああ、そういえば上司にも言えてなかった辞める理由の一つに過去の「自責の念」に駆られているのもある。
僕がきっかけのある出来事による後悔の念に何度も襲われていて、それから逃れたいというのも少しだけ辞める理由にもなっている。
非のない相手に良くないことをすることでこんなにも自責の念に駆られるものだとは思いもよらなかった。
今後、後輩を育成するような機会がもしあるなら、優しく教えようと思った僕だった。
辞めるまでの間に色々と身辺整理をしなければならない。
引っ越しやら何やら。暫くは忙しい日々になりそうだな…。
余裕を持って引っ越したかったんだけど、まぁ、仕方ないね。