最貧困女子を読んだ感想

saihinkonjosi001

図書館で「最貧困女子」という本を読んだ。強烈な内容が後味を悪くさせると同時に考えさせられる本だった。

簡単に感想を書くと、この本は貧乏と貧困、さらに最貧困層にいる女性に取材して具体的なエピソードが書かれているんだけど、その中でも最貧困というどうしようもない状態に陥っている女性のエピソードが強烈だった。

最貧困の話は読むのが色んな意味で辛くなって飛ばし読みせざるを得ないぐらいリアルで、なんとも居た堪れない気持ちになって、「日本でもこんな現実があるんだ・・・」って率直に感じた。

著者が貧困に陥っている女性の取材をしたのは20数名程度であったと言っていて、それ以上の貧困女性と取材できなかった理由として、

「僕は取材から逃げた。彼女らを取り巻く、圧倒的な不自由と、悲惨と壮絶さから、僕は尻尾を巻いて逃げ出したのだ。」

と言っていた気持ちがよくわかる。

思ったことは、家族の縁や公的な支援さえ受けられない状況に陥っている貧困だと、救いようがなくどうしようもないものだと言うことかな。だから僕は事実から目を背け、僕とは関係のない話なのだと、今までの生活を送ることにした。思考停止せざるを得ないような現実がそこにはあった。

僕も父親が小学生の頃に蒸発して、父が残した借金200万くらいを母親が払っていたけど、そんなのはゴミみたいな悩みのレベルなんだなと感じてしまった。それくらい強烈なエピソードがタップリ乗っていた。色んな意味で「救いようがない」女性もいるのだなと思った。

小学生の頃に蒸発した屑な父親

貧乏ではなく「貧困」に陥っている低所得層にいる女性を「努力不足だ」とか「自分が悪い」と反射的に叩くような人は一読しておくことをおすすめする。リアルすぎて途中で読むのをやめてしまうかもしれないが・・・。

最貧困に属していても、容姿が良い女性だとそこから抜け出せている事実もあるようだけど、本当の意味で「何も持っていない」女性の場合は、救いようがなくなっているのが僕の心を痛めた。

興味ある人は読んでみるといいと思う。普段本を余り読まない僕でも一日で読了してしまったくらい、興味深く読めた。鬱になるかもしれんけど。

(個人的に気になったのは、具体的に可視化されていない貧困女子がどれだけの数いるんだろうって思った。まぁやっぱりごくごく一部なんだろうね。)

最後にこの本を見て思い出したのが、攻殻機動隊ってアニメの「ソリッドステートソサイエティ」っていう映画だ。

その映画を超要約して話すと、親に虐待されている子供達をとある政治家が組んだシステムで見つけ出し、そしてその子どもたちを非合法に「誘拐」して、洗脳教育を行っているんだけど、子供達は洗脳されはするけど優秀な教育を受けられて、別の人間に生まれ変われるという、合理的なシステムで虐待されている子供を助けようとしているんだよね。

で、舞台の日本が高齢化がより進んだ世界の話だから、家族を持たない孤独な老人がたくさん増えていて、その老人の養子になることで孤独老人が死んだ後は遺産を相続できるシステム。色々都合の良い合理的な話しだよね。

誘拐されて洗脳されてはいるけど、老人が死んだら遺産も手に入り、虐待の負の連鎖もなくなり、エリート教育のおかげで真っ当?な人生を歩めるという、やり方は強引で犯罪だけど何もかもが合理的な話・・・っていうのが強く印象に残ってる。

それでも、公安はそれを犯罪として先導した政治家を逮捕するわけなんだけど、この後誘拐されたいた子どもたちがどうなったかというと、ただ虐待されていた親の元へ返される・・・という、実に救えない話なんだよね。

誘拐やら洗脳やらは犯罪になるわけだけど、虐待する親の元に戻される子供のことを考えれば、たとえ誘拐されて洗脳された事実があったとしても、どちらが幸せなのか?人間が作った倫理感や正義感など捨て去ったほうが良いのではないだろうか?

・・・って考えさせられる話だった。

僕は全てが丸く収まる政治家のやり方に賛同したいね。何もかも問題ないならそれでいいじゃないって思う。

この話を思い出したのは、最貧困女子の殆どが家庭環境が劣悪で虐待されている記事が多かったためだ。本当、親だけは運としか言いようが無いよ。

合理的で全てがうまく行く方法だったり税金がかかっても彼女達を救えるような制度を、誰か頭の良い人に考えてもらって、願わくば最貧困に陥っている彼女たちを救ってあげてほしいなと他人事のように僕は思った。